■香りと音も楽しんで
さて、“すり”に入るわけですが、すりこ木を利き腕で握ったらもう一方の手をすりこ木の上にのせて、押しつけるのではなく、まわすようにしながらすりこ木がごま全体に当るように軽くすりつぶします。すり続けるほどに、ごまの皮が破れて何ともいえないいい香りがただよい始めます。
初めはゴリゴリという重く荒い音だったのが、しだいに柔らかで軽い音に変わってくるのを聞きながら作業するのもいいものです。
■すり加減でごまの風味も変わる

手作りのすりごまのよさは、すり加減を自分好みに調節できるところにあります。様子を見ながら、荒ずり、半ずり、油が出るほどのなめらか状態…など、段階別にすり分けてもよいでしょう。とくに粘りが出るまですり込んだものには濃厚なコクが感じられて、同じごまあえでも、荒ずりのごまをまぶしたあえものとは違う深い味わいに仕上がります。
ごますりがごく日常茶飯だった時代には、すり鉢を支えるのは子供の役割でした。ときには、家族の誰かに手伝ってもらってお話しながらゴリゴリやるのもいいかも知れません。
おすすめは、すりたてのごまで作った秋なすのごまあえ。素朴だけれど豊かな気分になれる旬の一品です。
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